春のお彼岸

2023.03

「暑さ寒さも彼岸まで」
日本の慣用句には言い得て妙なものが多いですね。暖かい日が続くようになりました。桜の便りもあちらこちらから届いています。
今年の春分の日は 3月 21日、その前後 3日、合わせて 7日間が春のお彼岸になります。
真冬からだんだんと日が長くなり、昼と夜の長さが同じになる日が「春分の日」です。太陽が真東から出て真西に沈む日であり、その真西のはるか向こうには仏様のおられる「西方極楽浄土」があり、此岸(現生)と彼岸(あの世)がもっとも近づく日とされます。

お彼岸にはお墓参りをしてご先祖様の供養をするというのが現在では一般的ですね。「サザエさん」でも春と秋のお彼岸には家族一緒にお墓参りをするお話が必ず出てきます。春は牡丹餅、秋はおはぎ(季節で呼び方が変わるのも日本的で美しいですね)をお供えし、裃(かみしも)姿の波平さんそっくりの御先祖様が喜んでおられる姿は、もう何度観たことでしょう。

仏教的な意味合いが強いお彼岸ですが、お彼岸は日本独自の行事です。地方によっては、お供え物は稲荷寿司であったり、御団子だったりと、違いもあるようです。また亡き方のお好きだったものなどをお供えされても良いと思います。
寺院では彼岸会(ひがんえ)の法要も行われております。春の心地よいひと時、御先祖様に感謝しながらゆっくりと過ごせると良いなと思います。